前回縫い合わせる所までいきましたので、今回はコバ処理の方法ですね。
革の側面の事をコバと言うのですが、ここの仕上げが一番の難しい所でもあり、腕の見せ所でもあります。
こればかりは作家さんごとにこだわりが色々あると思いますので、方法も色々ですし、薬品などもたくさん販売されていますね。
僕はまずヤスリで側面を軽く削り角を落とします。
へり落としと言う専用の角落し工具があるのですが、最近こっちの方がお気に入りです。
表も裏も角が落とせたら、バチック(水性染料)を綿棒を使ってコバを染めます。
そして、端革を使って軽く力を入れながらコバをこすって磨きます。
そして、ロウが含まれた仕上げ剤をコバに塗り同じ様に磨きます。
そうするとコバが引き締まり耐久性がアップするの共に、自然な光沢を出すことができます。
そして次は、ジッパーを縫い付け
マチを縫い合わせる為に銀面を削ります。
削る理由は銀面(表側)は接着剤が付きにくいので荒らして接着力を高めています。
マチはこれです
前回書いていた、マチの方向を間違えていたやつです…
接着剤で仮止め後、縫い上げていきます。
そしてここでも同じ様にコバを処理して行きます。
バチックを塗って
磨き上げればツルツルに!
そして、ボタンをつけて
本体にパーツを仮止めし
縫い上げます
と…ここで問題が!!
マチを取り付ける順番を間違えてしまい…本体と縫い合わせる事が出来なくなってしまい…本体には穴が残っているため…始めからやり直す事に…
吉田かばんの「人針入魂」という言葉がありますが、ほんと革を縫う場合は革に穴が残るので失敗は許されません…。
メッチャ集中しないとすぐに歪んじゃいます。
という事で、もう一度革を染める所からやり直しです…
失敗した革は何か違うやつに使い回すとして、失敗した瞬間は自己嫌悪の塊になります。
今までの苦労が水の泡に…まだまだ修行が足りないっすね!