スタジオタックさんから出版されている「4つのパターンで学ぶ ワンランク上のバッグ教室」に、baby lock エクシムプロ9400LS「極」が紹介されていて、気になっていたのですが、職業用ミシンだったらJUKIのシュプール30で十分でしょと思ってました。
が!!!
ご縁があり、わざわざ筑後までbaby lockさんがエクシムプロ9400LS「極」を持ってきて頂き、試しに使わせて頂きました!
使った感想、、、、正直、舐めてました。
めちゃくちゃ良いです。
地方ではなかなか展示サンプルなどなく、試しに使ってみることができないと思うので、使用感をまとめてみますね。
思っていたよりもどっしりしたサイズ感です。
綺麗なホワイトボデーにゴールドのロゴが高級感があります。
送りのピッチは0~6まで調整可能。
この機種の最大のメリットは何と言っても、工業用ミシンと違って持ち運びできる点だと思います。
工場さんだとスペースに余裕があるかもですが、個人宅で使用するなら小さいに越したことはないですよね。
イベントブースとかでも電源さえ取れればどこでも使えますね。
成人男性なら片手で運べる重量ですが、女性だと気合を入れて運ばないといけないぐらいな感じ。
フットレバーもつけれます。
ツインLEDライトで手元もめちゃ明るいです。
うちは黄色電球なのでお店が暗いのですが、手元が明るいのは嬉しいです。
フットコントローラーは安定感がある大きなサイズ。
シュプールのペダル部分は小さくて収納の時は良いのですが、使う時は軽すぎて安定感がなく、結局ベニア板に両面テープで貼り付けて使ってましたが、このタイプはストレスは感じないですね。
踏み心地は滑らかで、軽く踏むと低速で、力を入れると「タッツタッツタッツ」と走り始め、ベタ踏みで「ダダダダ」て感じ。
工業用ミシンだと低速で縫うのに慣れるまで練習が必要だと思いますが、「極」は標準が低速に設定されているので、勢いがつきすぎて怖いなんて事もないかも。
大きさの比較
手前:JUKI シュプール30
奥:エクシムプロ9400LS「極」
使用しているモーターはシュプールとほぼ同等の性能らしいのですが、メーカサイトには
「このクラス最高の1,600針/分を実現。上軸、下軸および釜軸にボールベアリングを採用し、安定性を確保。また、送り機構を本体下部に配置した低重心化により、高速縫いでの振動を軽減。上軸、下軸をより太く(直径12㎜)丈夫にし、ベアリング軸受けを採用することで耐久性をUPするなど、工業用ミシンのノウハウを取り入れた、プロ仕様。」
と記載されてます。
一つ残念なのは、針が18号までしか使えないという点ですかね。
僕は厚物のタンニン革を縫う事が多いので、上下送りミシンの時は21号の針を使っています。
(たぶん太すぎるけどテンションを合わせやすい)
ミシンを使い出した時は、HERZさんみたいな0番手の糸で縫うのに憧れて真似していましたが、まず普通サイズのボビンだと一瞬で下糸が無くなります(笑)
バックなど縫ってると途中で下糸がなくなって全部ほどく羽目になるので、ボビンに糸を巻いた予備をいっぱい用意しないといけない。。。
それにテンションを合わせるのも難しく、返し縫いした時に縫い目がごっつくなってしまうなど、、、
そうゆう事もあり、今は上糸8番下糸20番が基本ですが、バランスが良いように感じます。
どうしても0~5番手の糸を使いたい!という方は工業用を調整して使った方が良さそうです。
全体的に一回り大きく、頑丈に作られている感じです。
針板もJIS工業規格に準拠しており、工業用ミシンパーツと互換性があるので市販の工業用針板や押さえが使用できるのは嬉しいですね。
抑えのオプションもいろいろ用意されており、段付き抑えやテフロン抑えなど(別売り)。
真ん中の段付き抑えはテフロンテープを貼ってカスタムされてますね。
このテフロンテープがめちゃ高いです(笑)
「極」のキャッチコピーが
8番手の糸も美しくスムーズに縫い上げる
今までのミシンとは一線を画す、驚きの縫い心地を実現。
とありますが、確かにめちゃめちゃ糸締まりがいいです。
上糸調整を強くしなくても余裕で厚物が綺麗に縫えちゃいます。
ポイントは独自に開発したここの糸の通し方によって、綺麗に縫えるようになっているそうです。
逆に60番手の糸などを使って薄手の生地を縫う時は、糸のかけ方を変え、付属の細針用の針板に付け替えるだけで薄い生地を縫う事も可能らしいので、一台あればなんでも縫えちゃいますね。
<縫製検証>
まずは無理だろうと思う3.9mm厚のピットヌメを二枚貼り合わせた7.8mm厚
ピットヌメなんでタンニンがしっかりと詰まっていて、ミシンの性能が必要な、縫いにくい素材だと思います。
最初の返し縫いは汚くなってしまいましたが、なんとか縫えたって感じ。
途中で一度モーターが止まりました。
そこはプーリーを手で回せば回避できると思います。
タンニンなめしの素仕上げ革を下送りのミシンで縫う時にどうしても出てしまう、送り歯の跡。
少しついていますね。
ただ、これくらいだと上下送りミシンで縫っても残る事はあるので、この程度で済むなら十分なのかなと感じました。
どうしても傷が気になる!って方には、別売りでゴム送りもあるそうです。
4.5mm厚のカッチカチのベンズヌメ。
少しピッチが乱れてますが縫えます。
この辺はシュプールだとかなりモーターに負荷がかかって今にも壊れそうな感じがしますが、「極」の場合多少無理してる感じはあるものの、まだ許容範囲な感じがします。
1.6mm厚のヌメ革を二枚貼り合わせて3.2mm
適当に縫ったので、外側のステッチはテンションが合ってないですが、
少しのテンションの調整で綺麗に縫えます。
この厚みぐらいならシュプールでも縫えますね。
製品を作ってみました。
傷が残りやすいグローブレザーです。
すこし下送りの跡が残ってますね。
下糸も8番を使ってこれだけ綺麗にテンションが合うのは嬉しいです。
返し縫い部分もバッチリ。
断片的にまとめましたが如何でしょうか。
僕個人的にはめちゃ欲しくなりました。
中古の工業用ミシンという選択肢もあると思いますが、暴れん坊のクラッチモーターに慣れてる方ならそちらの方が安く手に入ると思います。
あまりミシンに慣れていない方なら、この機種は基本が低速なのでとても使いやすいと思います。
テンションの調整も工業用ミシンよりも合わせやすいように感じました。
babylock様のご好意で、今日7月8日から1~2週間程ミシンをお借りできましたので、革や帆布などの厚物をミシンで縫いたいなぁと迷っている方は、是非試しにいらしてください!
7月9日(日)と7月16日(日)はワークショップに参加いただいている方を優先させていただきますので、ご希望の場合、事前にご連絡をいただけますよう御願い致します。
詳細はベビーロックさんのオフィシャルサイトでご確認頂けます。
オプションパーツも豊富ですよ!
なにかご不明な点があれば、facebookページかメールにてご連絡下さいませ!
https://www.facebook.com/FifthWorks/